ブランカとギター弾き


  ローラ


  メットガラ
  ドレスをまとった美術館

2017.5月
  人生フルーツ

2016.12月
  勝手にしやがれ

2016.11月
  太陽のめざめ

2016.10月
  ラスト・タンゴ

2016.9月
  レネットとミラベル/四つの冒険

2016.8月
  オマールの壁

2016.7月
  君がくれたグッドライフ

2016.6月
  料理人 ガストン・アクリオ
  美食を超えたおいしい革命

2016.5月
  最高の花婿

2016.4月
  ヴィヴィアン・マイヤーを探して

2016.3月
  愛しき人生のつくりかた

2016.2月
  カミーユ、恋はふたたび

2016.1月
  パリ3区の遺産相続人



過去のスケッチ

2015.12月
  愛と哀しみのボレロ
  デジタル・リマスター版

2015.11月
  あの日のように抱きしめて

2015.10月
  セッション

2015.9月
  妻への家路

2015.8月
  奇跡のひと マリーとマルグリッド

 

2015.7月
  陽だまりハウスでマラソンを

2015.6月
  イタリアは呼んでいる

2015.5月
  女神は二度微笑む

2015.4月
  プレイタイム

2015.3月
  トレヴィの泉で二度目の恋を

2015.2月
  恋々風塵

2015.1月
  みんなのアムステルダム国立美術館へ

2014.12月
  アルゲリッチ 私こそ、音楽!

2014.11月
  ローマの教室で
  ~我らの佳き日々~

2014.10月
  リスボンに誘われて

2014.9月
  神さまがくれた娘

2014.8月
  世界の果ての通学路

2014.7月
  大統領の執事の涙

2014.6月
  少女は自転車にのって

2014.5月
  バチカンで逢いましょう

2014.4月
  マッキー

2014.3月
  楽隊のうさぎ

2014.2月
  もうひとりの息子

2014.1月
  ビフォア・ミッドナイト

2013.12月
  アンコール!!

2013.11月
  パリの恋人

2013.10月
  スタンリーのお弁当箱

2013.9月
  天のしずく
   辰巳芳子“いのちのスープ”

2013.8月
  ハーブ&ドロシー
   ふたりからの贈りもの

2013.7月
  ペタル ダンス

2013.6月
  ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮

2013.5月
  愛について、
   ある土曜日の面会室

2013.4月
  恋する輪廻
   オーム・シャンティ・オーム

2013.3月
  アルバート氏の人生

2013.2月
  二郎は鮨の夢を見る

2013.1月
  ミステリーズ 運命のリスボン

2012.12月
  みんなで一緒に暮らしたら

2012.11月
  ぼくたちのムッシュ・ラザール

2012.10月
  三重スパイ

2012.9月
  ヴィダル・サスーン

2012.8月
  ル・アーヴルの靴みがき

2012.7月
  人生はビギナーズ

2012.5月
  昼下がり、ローマの恋

2012.4月
  明りを灯す人

2012.3月
  灼熱の魂

2012.2月
  幸せパズル

2012.1月
  ラビット・ホール

2011.12月
  クリスマス・ストーリー

2011.11月
  ショパン 愛と哀しみの旋律

2011.10月
  ミラル

2011.9月
  蜂蜜

2011.8月
  ジュリエットからの手紙

2011.7月
  約束の葡萄畑
  ~あるワイン醸造家の物語

2011.6月
  台北の朝、僕は恋をする

2011.5月
  白いリボン

2011.4月
  ハーブ&ドロシー

2011.3月
  パリ20区、僕たちのクラス

2011.2月
  クレアモントホテル

2011.1月
  プチ・ニコラ

2010.12月
  小さな村の小さなダンサー

ブランカとギター弾き
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 子供の貧困が問題となりつつあるわが国だが、
今回の主人公ブランカ程ではないだろう。

フィリピンマニラのスラムに住むブランカは生きるために盗みを繰り返し、道端にも平気で寝る。
子供を平気で捨てる実母より素敵な母親を金で買っちゃおうと計画する。

同じく道端で流しのギターを弾いて生計を立てる盲目のピーターと出会い、ちょっと大きな町へ。
ピーターはブランカに『カリノサ』という歌を教えた。
哀愁をおびたメロディを澄んだ声で歌うブランカ。

歌で稼げるようになるとともに、金のにおいを嗅ぎ付けてやって来るのが悪い奴ら。
果たしてブランカの幸せはどこに?

ピーターの包み込むような大きな愛,ブランカの健気さ,セバスチャンの男気,
ついでにオカマちゃんの優しさも観て欲しい。

海外資本で洋画のような作品を作る時代になったんだなぁ。
凄いぞ、長谷井監督!


にゃーこ





ローラ
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 『ヌーベルバーグの真珠』と謳われた今回の映画。
ジャック・ドゥミの監督デビュー作であるが、オリジナルのネガが焼失し、まぼろしの映画となっていた。

妻であり、映画監督でもあるアニエス・ヴァルダがBBCに保管されたコピーを見つけ出し、
ハリウッド最新のデジタル技術で一コマずつ修復され、2012年に遂によみがえった。

何といってもアヌーク・エーメの美しさである。
脚線美とスタイルの良さはディートリッヒを思わせるが、お手本はマリリン・モンローらしい。
なるほど、『お熱いのがお好き』のマリリン的でもあるなぁ。

奔放な女ローラを取り巻く男たちと、ローラとは会話をかわすことはないが、彼女に似た少女セシルの物語。
実は主役はローラではなく、幼なじみのローランだと思うのだが、
彼はあの名作『シェルブールの雨傘』に重要な役どころで登場する。
更にローラの数年後が登場する『モデル・ショップ』という作品もあり、
足を踏み入れたら抜け出せないジャック・ドゥミの世界なのだ。


にゃーこ





メットガラ ドレスをまとった美術館
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 毎年5月の第一月曜日に開催されるメットガラというイベント。
それは、同時期に企画されるメトロポリタン美術館服飾部門の展覧会に則しており、
今回のテーマは『鏡のなかの中国』。

メットガラを主催するのは『プラダを着た悪魔』ことアナ・ウィンター。
資金集めからパーティーの席順に至るまでコーヒー片手にビシッと決めていく。

展覧会を企画したアンドリュー・ボルトンは、共同開催のアジア美術部門の意向も汲みつつ、
中国政府から批判されないよう奔走する。

そしてガラ当日。
セレブ達のお出ましだ。
ビヨンセやジェニファー・ロペスの『ほぼ裸』なドレスを尻目に
ファッションアイコンとしての存在感を発揮したのが歌姫リアーナ。
美術品のように美しいローブは着る人を選ぶなぁ。

ゴルチェやガリアーニ等のデザイナーや、ウォン・カーウァイや
バズ・ラーマンへのインタビューにより分かるファッションと映画の関わり方も興味深い。
素晴らしい展覧会の様子も垣間見られ、毎年作って欲しい映画だ。


にゃーこ





人生フルーツ
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少ない蔵書の中でもお気に入りの『あしたも、こはるびより』がドキュメンタリー映画になった。
マンガがアニメ化された不思議なカンジ~。

何より驚いたのが、ご高齢に関わらず、きびきびとした動き!
しゅういちさんに至っては、しゃんとした姿勢でチャリンコに乗るは、脚立に乗るは屋根に登るはで、
日頃の健康的な生活の賜物だなぁ~と感心しきり。

建築家のしゅういちさんが開発を手掛けた高蔵寺ニュータウン。
高度経済成長期の真っ只中、しゅういちさんが提案した、
木々が効率よく配置された案は採用されなかったが、代わりに理想の自宅を一から作り上げた。
40年近くたってやっと時代が追いついた!

丹精込めて育てた実りでひでこさんがつくった料理やお菓子の数々。
ホールケーキ大の焼きプリン、食べた~い!

お互いを尊重し合い、強要もしないけど、コツコツと丁寧な暮らし。
樹木希林のナレーションも味がある~。


にゃーこ





勝手にしやがれ
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最近のファッション誌に物申す!
『リュクス』って何ね?
『ビジュー使い』は魔法使いの仲間け?
わけんわからん言葉でごまかそうっちすんなよ!と、かごしま弁で対抗したくなってくる。

『勝手にしやがれ』のオシャレな二人を観て、原点回帰するのだ。
セバーグのセシルカットは全てのベリーショートのお手本だし、
ベルモンドの帽子使いもこなれた感じ。
だって、二人が新聞を売りながら歩くのは、まさしくおー!シャンゼリゼ♪
世界一オシャレな通りですもの。

映画の内容が難解だろうが、シマシマファッションの可愛さはわかる。
ヌーヴェル・ヴァーグと言われたロケ撮影、同時録音中心の手法によるこの映画は、
即興的な意味合いを込めて、ジャズのようだと言われるが、チューブ入り絵の具の発明により、
屋外で絵を描き始めた印象派に似ていると思うのは私だけだろうか?

芸術には日々新しい波が押し寄せているのだ


にゃーこ





太陽のめざめ
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大女優カトリーヌ・ドヌーヴ。

フランス映画界に君臨し続け、エカトリーヌ3世とか、
カトリーヌ・ド・メディチとでも呼びたくなる貫禄ぶりだ。

今回は意外にも、少年の立ち直りに至るまでのヒューマン・ドラマであった。
だらしないシングルマザーと暮らす少年マロニーは、無免許運転や窃盗は日常茶飯事。
カトリーヌ演じるフローレンス判事と
ブノワ・マジメル演じる教育係ヤンの指導下に置かれることになった。

暴走を続けるマロニーはまるで鋭利な刃物のよう。
その向けられた刃を真剣白羽取りの如く真正面から受け止めるヤン。
二人を背後から支える判事の大きな愛でマロニーは人生を一歩ずつ歩みはじめる。

マロニー役のロッド・パラドは初めてとは思えないひりひりとした演技で
本当に更生できるのかと心配になる。
そんな熱演により、ロッドと共にブノワまでもセザール賞を受賞。

さすが、カトリーヌの庇護の賜物である。


にゃーこ





ラスト・タンゴ
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マリアとフアンは、伝説のタンゴダンサー。
10代で出逢ってから、数々の舞台を共に踊ってきた。

体を密着させた官能的な踊りと情熱的な音楽。
ダンスの相性がよければ、そりゃお互い惚れてまうやろ!

御多分にもれず恋人同士だった二人も長年の色んな栄光と葛藤の末、ついに決別する事となる。
その最後の舞台が日本公演だったとは、感慨深いものがある。

二人のインタビューを主軸に再現される後輩ダンサー達の踊りも必見!
二人のドラマを再現しながらもインタビューもする手法はなんだか新鮮~。

製作総指揮のヴィム・ヴェンダースはこれまでも様々なドキュメンタリーを手掛けてきた。
音楽,ファッション,建築。
その多岐に渡るジャンルの幅広さには驚かされる。

めくるめくタンゴの世界に踊りたくはなるが、
フォークダンスでさえ皆と足が逆の写真しか残ってない私には到底無理だわ~。


にゃーこ





レネットとミラベル/四つの冒険
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田舎育ちのレネットと、都会っ子パリジェンヌのミラベル。
対照的な二人の共同生活に『冒険』と題を付けたエリック・ロメール監督。
等身大の少女達の感情や感性を見事に表現してみせた。

二人のカーディガンやたらいなど、ピリッと赤を効かせた映像もオシャレ。

一話目の『青い時間』を過ごすエピソードは田舎の風景と相まってとても印象的。
昼の鳥は目覚めず、夜の鳥が眠りに就いたほんの1分ほどの完璧な静寂。
レネットはその時間が怖いらしいが、
それはあなたがおしゃべりさんだからじゃないの~?

そもそも他人と合わせる事ができないため学校も行かずに独学していたという変わり者。
独自の感性を絵画制作に生かしている。

特別な時間を過ごし、意気投合した二人はパリでルームシェアする事に。
互いの意見が合わなくても妥協することなく、語る、語る。
せりふの多いロメール作品の入門編としてはおすすめ。


にゃーこ





オマールの壁
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生真面目なパン職人のオマール。
彼女との結婚を夢見て仕事に励み、今日も彼女に会いに行く。

そんな彼の前に立ちはだかるのは高さ8mもの分離壁。
ロープ一本でよじ登り、監視塔からの銃弾をものともせず越えていく。

ここはガザ地区とヨルダン川西岸地区からなるパレスチナ。
50年近くもイスラエルの軍事占領下にある。
人権も自由もないこの国で人並みな幸せを求め生きる青年達の抵抗は、
やはり武力しかないのか!

イスラエルの秘密警察に捕まったオマールはラミ捜査官により、スパイになるよう強要される。
一筋縄ではいかない渋めのオジサマは好きなタイプではあるが、
オマールは彼の策略により逃れられなくなっていく。
同じ国を分断して住んでいるんだから、何とか平和に共存できないのだろうか?

♪た~ての糸はあ~なた~♪よ~この糸はわ~たし~♪
絡まった糸をなんとか修復して~!
隣国シリアと共に困った国だ。


にゃーこ





君がくれたグッドライフ
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毎年恒例の仲間たちとのサイクリング旅行。
いつもどおりのおふざけで、果たさなければならない課題を出す彼ら。
その後、リーダー格のハンネスからの思いがけない余命宣言。
ALSで体力が限界のため、今回が最後の旅になるという。

いきなり、そりゃあないよ。
でも、友情厚き仲間達は、最後の旅行を最高のものにしようと、
ハンネスに最後まで付き合う覚悟を決めた。

かなり重いテーマだが、最近は終活という言葉や、エンディングノートなるものも出てきて、
死に対する受け止め方も様々だ。

ハンネスの下した決断が正しいとか間違っているとかは言えない。
本人が一番つらいのは当然だが、
周囲の家族や友達も自分ではどうしようもできない事だけにつらいのだ。

くだらない課題をこなしつつ、想い出深い最後の旅を終えた先に待っていたものとは…。
日常に流されがちな私達に立ち止まって考えることを気づかせてくれる映画だった。


にゃーこ





料理人 ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命
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ガストン・アクリオ。

ディズニーの悪役っぽい名前だが、悪役どころか彼はペルーの英雄なのだ。
一介の料理人が何故そう呼ばれるようになったのか?

政治家の息子として期待されながらも、自分の好きな料理の道を求め、
フランスの名門ルコルドンブルーに学ぶ。
父の助言により帰国した彼は料理人として世界的に認められるようになる。

ペルーといえば痩せた土地で貧しい国のイメージがあるが、
彼は積極的に自国の食材や調理法を取り入れ、全く新しい料理(ペルービアン)を作る。
世界中に自分の店を持ち、ペルーの国家価値をぐっと引き上げた。
お高くとまったところは微塵もなく、
生産者に対する尊敬の念,子供達に対する愛情の深さには感心する。

彼が支援する料理学校で学んだ生徒達、もしかしてうちの近所に出店する日がくるかも!?
私利私欲にまみれた政治家なんかよりずっと価値がある彼の行動力に胸が熱くなった。


にゃーこ





最高の花婿
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花嫁の父の心境とは複雑なものだ。
娘が子供の頃から嫁ぐ日を想像するだけで涙する親もいるらしい。

フランス人のヴェルヌイユ家の場合、3人の娘たちがアラブ人,ユダヤ人,中国人と結婚。
そして末娘までもがコートジボワールの黒人男性と結婚する事に!

かわいい末娘の幸せを願いつつも素直に賛成出来ない父。
彼の父親も大反対でお互いが険悪なムードに。
母親たちの仲のよさとは対照的だ。

姉婿達を見てみれば、宗教,慣習の違いからことごとく対立しちゃっても~。
ほんとは子煩悩でいい奴らなのにね。

でも、本音でぶつかっているうちにわかり合い、人種を乗り越え家族らしくなってきた!
末娘のカップルはお互いをヨーグルト,チョコレートと呼び合っていたが、
一見差別的な言葉もそこに愛があればかえって微笑ましく感じる。

父ちゃん達も愛をもって祝福の日を迎えられるのか?
世界平和のヒントがここにはあるのだ!


にゃーこ





ヴィヴィアン・マイヤーを探して
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アール・ブリュット(生の芸術)という言葉を最近聞くようになった。
独学で他の影響を受けていない美術的作品の事だそうだ。

そういう意味ではヴィヴィアン・マイヤーもアール・ブリュットのアーティストなのだろうか?
何しろ、謎だらけのうえ既に故人なので、手がかりは限られ・・
えっ?何だ?倉庫に詰まった写真や服や領収,レシートの山よ!

ひょんな事から彼女の写真のネガをオークションで入手した青年ジョン・マルーフは
彼女の写真に芸術的価値を見い出し、ついにはこのドキュメンタリー映画まで作ってしまった。
彼のマメさ,執念,探究心にも感嘆する。これもめぐり合わせなのか、いい人に拾ってもらったよ。

発表することなく埋もれていた味のある作品群。彼女はこれらをどうしたかったのだろうか?
写真を撮りたいがために時間のゆとりがある乳母になったというが・・。

今は大人となった子供たちの証言も面白い。


にゃーこ





愛しき人生のつくりかた
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ここ数年、独居老人をテーマにした映画がだいぶ増えてきたが、今回は三世代の家族の物語。
それぞれがどう生きるべきか悩み、自分らしく答えを見つけていく。

頼りない父ミシェルをなだめつつも、マドレーヌおばあちゃんに寄り添う孫、ロマン。
父に似ず、頼りがいがあり、優しくてイケメン。まさに理想の孫だ。
そんなある日、マドレーヌはふいに姿をくらます。
当然の如く、祖母の故郷ノルマンディーへと追いかけるロマン。そこで二人が見つけたものとは・・。

チャーミングなマドレーヌをはじめ登場人物が皆、味があって魅力的。
しょぼくれた父親にぴったりのミシェル・ブランと、わかりやすい御髪(おぐし)の兄弟達。
含蓄のあるお言葉のホテルのオーナー役でなんと監督自らも出演。
おばかだけど憎めないルームメートや、何よりドライブインのジャン・レノ風の店員がイイ。
勧められたらチョコバー買っちゃうかも。


にゃーこ





カミーユ、恋はふたたび
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もし人生をやり直せるとしたら、やっぱり高校生に戻りたいなぁ。
あの頃、もう少しお勉強してたら、大胆な恋でもしてたらもっと違った人生に・・。

旦那からも愛想をつかされ、女優の仕事も行き詰っている40代カミーユは
ひょんな事から85年にタイムスリップ~!
なんとか人生をやり直したい彼女が変えられた未来の不思議、変えられなかった過去を受け入れる勇気。

現在に戻ったカミーユの清々しい表情が魅力的だ。
おばちゃん姿のまま高校生を演じる肝っ玉はさすが、監督兼主演だなぁ。

カトリーナ&ザ・ウェイブス,GO'GOs,バナナラマ!
バブリーなあの頃、一番洋楽を聴いていた私にとっては感涙ものだ。

時計屋の店主として出演していたジャン=ピエール・レオのじいさんっぷりに
タイムスリップで未来に行った気分になった。
『大人は判ってくれない』のあの子がねぇ~。
映画って時空をこえるタイムマシンだなぁ。


にゃーこ





パリ3区の遺産相続人
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ニューヨーカーのマティアスは父の遺産として相続したパリ3区の高級アパルトマンにやって来た。
全てを引き払って体一つでやってきた彼の前に立ちはだかったのは、
ヴィアジェというフランス伝統の不動産売買制度。
さっさと売り払って大金を手にするあてが外れ、その日の暮らしにも困る情けなさ。

しかし、ジラール夫人とその娘クロエと同居するうちにお互いの秘密がわかってくる。
負債ともいえる遺産を残した父が一番の謎だ~!

どうしようもない負け犬だけど、なんだか憎めない男をうま~く演じたケヴィン・クライン。
クリスティン・スコット・トーマスとマギー・スミスのベテラン女優を相手に一歩もひけをとらない。

80年代のアイドル女優フィービー・ケイツはなんでこんなおっさんと結婚して主婦業に専念したのかわからなかったが、
素敵なおじさまリストに登録しなければいけませんなぁ~。


にゃーこ





愛と哀しみのボレロ
デジタル・リマスター版
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『愛と哀しみのボレロ』がデジタル・リマスター版で帰って来た!
当時最高のスタッフ,キャストを揃えて作り上げた名作だ。
何より、ジョルジュ・ドンのバレエ・シーンが素晴らしい。
江頭2:50と同じ格好なのに、何故こうも神々しいのか!

実は公開時に観ているのに、彼の圧巻の踊りとふわんふわんの揺れる髪に見とれて、
ストーリーがぶっとんでしまい、全く覚えていなかった。

物語は第二次世界大戦を挟んで繰り広げられる、4カ国の家族の物語。
ある者は戦争の犠牲となりあっけなく命を落とし、残された者は様々な
心の傷を抱えながらも自分の進むべき道を進んでいく。

アメリカの女性作家ウィラ・ギャザーの冒頭での言葉、
『初めてのような残酷さ』で繰り返される人生。戦争もまた然り。

技術や文化が進歩しても更に混沌としていく緊迫の世界情勢。
ボレロの最後のようにぶつっと終わるような世界になりませんように!


にゃーこ





あの日のように抱きしめて
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『スピーク・ロウ』こんな素敵な曲があるとは知らなかった!
印象的に随所で流れ、余韻を残す。

今回は第二次世界大戦終結直後の物語。
強制収容所から奇跡的に生還したネリー。
顔に大きな傷を負うが再建手術を受け、親友のレネと共に新しい生活を始める。

ネリーの一族は全滅。莫大な遺産を受け継ぐ事になった。
探し出した夫は顔の変わった彼女に気付かない。
あろうことか、少し似てるからって、ネリー自身になりすまし、
遺産を山分けしようという話を持ちかける。

そもそも長時間一緒にいるのに、自分の妻だと気付かないとは!
お金だって大人しく妻の帰りを待っていれば自然と転がりこんでくるはずだったのに馬鹿な奴だなぁ。
ネリーも頼りになるレネとさっさと移住しちゃえばいいのに、そんな話に乗っちゃって~!

果たして、ネコババ作戦は成功するのか?
二人の力関係が徐々に変わっていく様が面白い。


にゃーこ





セッション
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やー、怖かった。緊張したぁ。何がって、音楽学校の鬼教師フレッチャー!
こんな先生に習いたくな~い!

元吹奏楽部員の私、ご立腹の先生から色んな物が飛んで来るのは当たり前。
針一本落とせない程の緊張感もわかる~。けど、ありゃやりすぎじゃー!

あまりの悪の、いや灰汁の強さに嬉しくすらなってくる!
フレッチャーかフレディ(エルム街の悪夢の)か、と言いたくなる程の恐ろしいキャラクターだ。

対する生徒のドラマー・ニーマン。気の弱そうなオタク系、黒髪のマーク・ザッカ―バーグみたいだなぁ、
と思いきや、努力と才能でなんと、あの鬼教師に対抗していくのである。

そこに師弟愛、なんてものは一切なく、しかし音楽に対する情熱がほとばしり、激しくぶつかり合っている。

一つの物を極めるにはやはり、血のにじむような努力が不可欠なのか~、
じゃあ、私もこのペンだこから血が出るまで、連描~~~!


にゃーこ





妻への家路
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文化大革命。
毛沢東の死去によりようやく終息し、 20年ぶりに解放されたルー・イェンシーは
妻のフォン・ワンイーの元へ急ぎ戻るが、
そこには彼の顔を忘れた妻が!

娘の丹丹に協力を仰ぐが、逆に彼女には、母に忘れてもらえない過ちがあり、
三人三様の心のすれ違いがなんとも切ないのだ。

何とかならないものかとじれったくなるのだが、夫を慕い続ける妻の、頑固ともいうべき想いの強さに圧倒される。

実際に文革で強制労働をさせられたチャン・イーモウだからこそ描けた繊細な表現が画面に溢れている。

コン・リー様の成熟した演技力はさすがの黄金コンビだ。
中村勘三郎さん似のチェン・ダオミンの渋さ、娘役のチャン・ホエウェンのフレッシュさも光る。

国家の規制により描き足りなかった部分もあるとのこと。
2010年ノーベル平和賞受賞者の劉暁波氏が服役中でもあるし、
未だ文化プチ革命中と思わずにはいられない。


にゃーこ





奇跡のひと
マリーとマルグリッド
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暗黒と沈黙の世界ってどういうカンジなんだろう?

目と耳が不自由な少女マリーに出会った修道女マルグリットは耳栓、目隠しで歩いてみる。
不治の病を抱え、余命いくばくもないけど、常に前向きでかわいらしいなぁ。

手や唇の感覚でしか物事を認識できず、ましてや自分の感情すら表現できない、
マリーの中にある秘めた想いを解放すべく奮闘するマルグリット。
でもそんな無理強いしちゃかえって意固地になって拒否られるよ!
マリーはかなりの頑固者だもん。
毎日がプロレス状態じゃ、寿命だって縮めちゃう!

ある日遂に突破口を見出し、言葉を理解する日がやって来た。
ヘレン・ケラーがwaterなら、マリーの最初の言葉は何だったのでしょう?
その答え、実はチラシの中にあるんですね~。

美しく繊細な手話。
まるで魂と魂が触れ合って会話になり、心を通わせているかのよう。
その繋がりは死をも越えて永遠に・・。


にゃーこ





陽だまりハウスでマラソンを
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パウルは元マラソンのオリンピック選手。

妻マーゴと仲睦まじく二人暮らしをしていたが、マーゴの健康上の理由から
やむなく老人ホームに入居する。病院や教会もあって、規模の大きい施設ではあるのだが、
やはりおしきせのお遊戯やクリの工作なんてやってらんないやい!

昔取った杵柄とばかりにマラソンを再開した。目指すはベルリン・マラソン!
御老人、それはちょっと無謀ではありませんか?しかしそこは伝説のランナー。
他の入居者達をも巻き込んでひた走る!
マーゴだって夫を支える名コーチに復帰して楽しそう。

この映画では夫婦、娘、介護をする側のそれぞれの苦悩をよく描いていて、
自分だったら、と考えさせられる。
今は娘の立場として、ゆくゆくは自分が高齢者になった時どうするのか。

十人十色、老人十色。

ひとりひとりが自分らしい老後を送れるシステムが確立する社会になってくれればと切に願う。


にゃーこ





イタリアは呼んでいる
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風光明媚な世界遺産アマルフィを巡り、名門レストランを訪ねるイタリア美食紀行6日間の旅。
いいなぁ、しかも、グルメ取材のオイシイ仕事。

旅人はスティーヴとロブのちょい悪おやじの二人組。
弥次喜多よろしくミニクーパーで勝手気ままに珍道中。

そもそもイタリアでアラニス・モリセットを聴くかね?
カンツォーネ、とかオペラでお願いしますよ~。

イギリスのショービズ界で活躍する業界人ならではの半端ないモノマネ合戦込みの毒舌は
小ネタすぎて実は半分もわからない。
『ゴッドファーザー』や『バットマン』好きにはウケるかも。

中年ならではの悩みや哀愁を醸し出しつつも、名コンビぶりを発揮する二人。
女子とは違う距離感が面白い。

ロマン派詩人、バイロンとシェリーの足跡も辿っていくが、彼らも同じくかなりの悪友同志だったらしい。
行く先々のレストランでの厨房の活気に呼ばれてしまう!
パスタ食べたい!!


にゃーこ





女神は二度微笑む
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インド映画なのに、今回は『歌って踊らない』がウリになっている。
っていうか、のんきにそんな事をしている暇がない程本格的なサスペンスなのだ。

ロンドンからインドのコルカタへやって来たヴィディヤ。
ペットボトルの水をがぶ飲みしながらのしのし歩き、遠慮も妥協も一切なし。
夫とお腹の子供のために、知恵と美貌と勇気をフル活用して頑張るのだ。

他にもクセのあるキャラクターが続々登場する。
カーン警視は元ラグビー日本代表の平尾誠二さん似?
保険外交員のボブは噂どおり森永卓郎にそっくり。
優しい新米警官のラナは困り眉がウィル・スミスっぽいな~、と、
余計な事に気を取られていたせいか、すっかり騙された~!
こりゃ、ハリウッドもリメイクに乗り出すわけだ。

でも、このインドのほこりっぽい街の喧騒や
じっとりした空気感まで再現しないと意味ないぞ~!

女神は二度微笑み、私は二度この映画を観てしまった!


にゃーこ





プレイタイム
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ポストカードを集めたり、妹から洋書を買ってもらったり、
憧れ続けて20年、やっとジャック・タチブームが帰ってキター!

巨額の製作費を投じて撮ったのは、フランスの寅さん的存在、ムッシュ・ユロのコメディーだ。
CGもない時代とはいえ、映画のために建物まで作ってしまうとは!
その建物の近未来的センスやファッション,音楽までさすがオッシャレ~。
アメリカ人観光客のバーバラ嬢まで、気品が漂っている。

しかし、これはあくまでもコメディー。
画面のあちこちに笑いの種が転がっていて、しかも説明がないので、
うっかり見落としてしまうおそれがあるのでご注意を。
『ここって笑いどころなの?』いいんです。
クスリと笑っちゃってください。

テクノロジーの進化を皮肉りつつも、その中にあって人間の本質はそうそう変わらない事を
独自のユーモアで描くおもちゃ箱をひっくり返したような作品だ。


にゃーこ





トレヴィの泉で二度目の恋を
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頑固じじぃ・ミーツ・イカレた婆さん。
幾つになろうと、それでも恋は恋~♪

何度もぶつかりあいながらも少しずつ距離を縮め、そのたびごとにどんどん可愛らしくなっていく。
『二度目の恋』ではなく、『ほんとの恋』に堕ちていくふたり。

フレッド役のクリストファー・プラマーは
『サウンド・オブ・ミュージック』でトラップ大佐を演じた頃から筋金入りの頑固キャラ。
対するエルサ役のシャーリー・マクレーンはスピリチュアル本を執筆するなど、
多才ながらも不思議ちゃんぶりが今回の役にぴったり!

彼ら程のベテランになると、さすが、
どっかのカード会社のコマーシャルの謳い文句っぽい台詞もしっくりはまる。
楽しんで生き生きと演じているのがよくわかる。
フレッドが奏でる哀愁をおびたギターの調べが胸に沁みる。

さて、トレヴィの泉で何が起こるのか?
この映画を観た熟年カップルがどうか真似をしませんように・・。


にゃーこ





恋々風塵
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アジアの鉄道はすごい。
線路ぎりぎりまで露店を張り出したり、平気で線路上を歩く人々。
ぐにゃりと曲がったこの線路に列車はとおるのか?
心配をよそにガタピシの列車がゴトゴトと車体を揺らしながら走っていく。

台湾でも同じく、日本の統治時代に整備した鉄道を今も大事に使ってくれている。
この映画はそういう風景を織り交ぜながら少年阿遠と少女阿雲の日々を描いたものだ。

貧しい山村に暮らす二人は兄と妹のように過ごす。
中学を卒業した二人は都会の台北で働きはじめるのだが・・。

阿遠はなんだかついてない。運が悪いっていうか。
錦織圭に似ているので、運気を上げるためにテニスでも始めてみては・・とお薦めしたくなる。
疲れて帰郷した彼に語りかけるじいちゃんが味があっていい。

この映画は恋恋風塵というタイトルのイメージからするとだいぶ淡々としているが、
風景と共に空気感を味わう映画だと思った。


にゃーこ





みんなのアムステルダム国立美術館へ
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オランダは自転車大国だ。
歩行者がぼやぼやしてたら轢かれそうな勢いらしい。
歩行者優先、ではなく、自転車優先なのだとか。
美術館の改装でもなぜか、エントランス内の自転車道の扱いでもめまくり、
最後まで引きずってしまう羽目になる。

第一、改装に10年かかるところがすごい。
完璧な改装をと妥協しないのか、チームの意見が一致しないのか。
あまりにも工事が中断するのでさじを投げたくなるのはわかるが、誰かが成し遂げなければ!
お休み中の作品達も、心もとなさげに見える。

そんな中、日本の仁王像が新しくやってくる。
日本人としては複雑な気持ちになるが、アジア館部長の仏像愛に満ちたきらきらした瞳をみていたら、
それもまたアリなのかな、と思った。

先日テレビの紀行番組でこの美術館が出ていた。
あんなにバタバタしてたのに、整然と陳列された姿や、
あの壁紙の色がなんだかおかしくて思わず吹き出してしまった。


にゃーこ





アルゲリッチ 私こそ、音楽!
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マルタ・アルゲリッチ。
波乱万丈の人生を歩む今世紀最高のピアニスト。

マスコミ嫌いの彼女のドキュメンタリーを実現させたのは、監督を務める三女のステファニー。
マルタの自然な表情を遠慮なく撮れるのは溺愛する娘ならではの特権だ。

マルタには父親が全部違う三人の娘がいる。
長女リダの父は中国人だが一番マルタに似ている。
幼少期を母と過ごせなかった分を取り戻そうとする姿が印象的だ。

次女のアニーは父のシャルル・デュトワに眉とか目がそっくり!
演奏旅行で忙しい母の代わりはさぞ大変だったろう。

三女のステファニーはリダとは逆に父親と暮らした事がなく、その空白の時間を埋めようとしている。

マルタの娘に生まれたばっかりにそれぞれが大変な時期を過ごす。
でも誰も母を恨んではいない。
いつも自然体でわがままいっぱいな彼女は女神なんだもの。

女家族4人で過ごす何気ない時間がユルくて微笑ましい。


にゃーこ





ローマの教室で ~我らの佳き日々~
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『パリ、20区僕たちのクラス』的リアル教育ムービー。
今度はローマの教室にお邪魔しました。

相変わらず生徒達は身勝手で、小賢しくて、でもあまりにも無防備で傷つきやすい。
なかでもシェール似のアンジェラのアバズレっぷりは断トツで、
国語補助教員のジョヴァンニは最後まで彼女に翻弄される。

クールな女校長ジュリアーナは身寄りがいなくなった男子生徒の世話を焼く羽目に。
情熱を失い、無気力なベテラン教師フィオリートの身にも新たな出逢いが!
3人の教師たちは手探りで答えを導き出していく。

彼らだって完璧ではない。
親とケンカになる事だってあるし、判断を誤る事もある程度は仕方ない。
優等生だからと、安心している生徒にこそ目を配らないと!

学校は答えの決まった学問だけを教えるのではなく、社会に出て生き抜く術を身につける場所でもある。
そして数年後。あの頃は良かったと懐かしく思い出すのだ。


にゃーこ





リスボンに誘われて
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今年度ノーベル文学賞受賞者のパトリック・モディアノ氏は、占領下での生活世界の描写が評価された。
ヨーロッパ各国には圧政の中でのレジスタンス達の抵抗運動があった。
今回はポルトガルのサラザール独裁政権下の物語だ。

スイスの高校教師ライムントが偶然手に入れた一冊の本。
自分が考えていた人生観が美しい言葉で綴られたこの本に心を奪われた彼は、
作者を辿るリスボンへの旅に出る。
彼の関係者を辿るうちに、抑圧された中でも精一杯生き切った一生が浮き彫りになってくる。

翻弄される男を演じたら天下一品のジェレミー・アイアンズが
相変わらず右往左往しながら謎を一個ずつ丁寧に解き明かしてくれる。
脇を固める共演者がドラキュラやベルリンの天使、蜘蛛女などを演じた、一筋縄ではいかない豪華な顔ぶれ。

高校の校長や宿屋の主人もいい味を出してるが、
シャーロット・ランプリングの圧倒的存在感はさすがだ。


にゃーこ





神さまがくれた娘
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この映画はアメリカ映画『アイアムサム』に着想を得たらしいが、
ストーリーは全く違うヒューマン・ドラマに仕上がっている。
あっ!ここのシーンは『アイアムサム』だっ!・・というシーンもあるが、そこはご愛敬。

子供に対する深い愛情は万国共通。
しかも、親の知能が6歳であろうが、そんな事は全く関係ないのである。

クリシュナとニラー父娘のダンスは愛にあふれてとっても素敵。
意味もなく突然でてくる従来のインド映画の定石ともいえるダンス・シーンとは違うのだ。
(別途そういうシーンもあったりしますが、笑。)

やはり今回もインド美人がじゃんじゃん出てくる。
うだつの上がらない運転手シュベータの奥さんは聖母の如き美しさ。
2シーンしか出てないバーシャム弁護士の奥さんも然り。
女弁護士アヌや事務局長シュベータはもちろん超・美人。

そして、ニラーちゃんのかわいさといったら!
高い・高いしてあげた~い!


にゃーこ





世界の果ての通学路
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世界の果てにも通学路はあるだろう。
しかし、こんなに過酷な道だとは!

4組の通学路が出てくるが、どれも危険と隣り合わせ。

ケニアの兄妹が走るサバンナ。
モロッコの少女達が越える険しい山々。
アルゼンチンの兄妹は馬で通学するが、必ずしも楽ちんではない。
インドの兄弟は、足が不自由な兄のためにぬかるんだ道を車椅子を押して行く。
エマニュエルとガブリエルの幼い弟達が健気でかわいくて、名前のとおり、天使に見えてくる。

皆、何時間もかけ、苦労して通学してでも学校で学びたいという向学心が素晴らしい。
新学期を迎えた学生さん達は彼らの頑張りを見ればモチベーションが上がる事間違いなし!
そして大人達にはかつての通学路を思い出して欲しい。

私にも新上橋から天保山まで小一時間かけて通った中3の半年間があったのだ。
小学生の妹と歩く甲突川沿いは寒くて大変だったけど、今や良き思い出なのです。


にゃーこ





大統領の執事の涙
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アメリカの大統領が変わると、官僚上層部はほぼ入れ替えになる。
ホワイトハウスもそうだと思っていたが、
事実を基にしたこの映画の主人公セシルは、黒人執事として7人もの大統領に仕えていた。

黒人にとって人としての権利を与えられていなかった時代に、
歴史が動くのを目の当たりにしながら空気のように仕えるというのは大変なことだ。

そのように指示しながらも、大統領たちは時々一番身近な黒人である彼らに意見を求める。
そこには微かな信頼が見え隠れするのだ。

錚々たる俳優陣や歴代大統領そっくりさん大会、
大物ミュージシャンが何でこんな地味な役を?!など、娯楽映画かと思いきや、
差別され続けた黒人達の歴史に沿って翻弄されるセシル一家の骨太な人間ドラマでもあるのだ。

オバマさん、泣いて当然。
でも『大統領の涙』になっちゃうよ!


にゃーこ





少女は自転車にのって
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ワジダは10歳。おてんばな女の子。
彼女が住むイスラム圏の慣習は理解し難いものだらけ。
女性は体のラインが見えない黒い服を頭からすっぽり身にまとわなければならない。
ワジダのママも、モニカ・ベルッチばりのゴージャス美女なのに、もったいな~い!

男性の目にふれないように徹底しながらも、なぜか、12,3歳で嫁に出されたりもする。
女性にとっては生きづらい国だ。

ワジダは掟に従いながらも、自由な発想でしたたかに生きている。
彼女が自力で自転車をゲットするまでの物語の中で、知られざるサウジの生活が垣間見られるのが面白い。
自宅ではジーンズやTシャツも普通に着ているし、パパとテレビゲームだってするのだ。

そんな矛盾した状況を変えるのは、抑圧された女性達自身や、子供達なのだという可能性や希望が見出される。
美しいコーランの朗読や砂漠地帯の風景。
色んな意味でカルチャーショックを受けた。


にゃーこ





バチカンで逢いましょう
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マリアンネ・ゼーゲブレヒト。
何度聞いても覚えられないが、『バグダッド・カフェ』のぽっちゃりおばさんといえばすぐわかる。

方や、ジャンカルロ・ジャンニーニ。
長ったらしいのに個性的な名前で一発で記憶したイタリアの個性派俳優。
この二人が、なんともチャーミングな老カップルを演じる。

夫を亡くしたマルガレーテは、ローマ法王に懺悔をするため、バチカンに向かう。
そこで老詐欺師ロレンツォに出会い、老婆がローマの休日を過ごす。

そこで暮らす孫娘や、追いかけてきた娘と三世代ではじめて思いをぶつけあう。
それぞれが自分の生き方を見つめなおすことになるのだ。

軽快な音楽とおいしそうなウイーンのオマ(おばあちゃん)の料理、冷えた白ビールも最高!
彼女達の休日はどういった着地点を迎えるのか?

それにしてもイタリア男って、いくつになってもよくもまあ、歯が浮きそうな台詞をばんばん言えるもんだ。


にゃーこ





マッキー
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家人が寝静まった深夜。
どれ、そろそろ私も・・とその時一匹のハエが部屋の中に入り込み、ぶんぶんと音を立て始めた。
テレビだけを残して明りを消し、ハエたたきを手に臨戦態勢に臨むわたし。

失礼な事を言うようだが、衛生状態がよいとは言えないインドでまさかハエ如きを気にするなんて思ってもみなかった。
しかし、このハエはタダものではない。
悪者に殺され、なんと生まれ変わったのだ。

こいつが人間の頃もシツコイ性格で、ハエにはうってつけ。
愛する彼女を守るため、あらゆる手段をつかって悪者をやっつけるのだ。

今回の悪者スティーヴ社長も1ミリたりとも同情するに値しない見事なワルぶり。
思う存分やっつけちゃってください!

映像も申し分ない出来。
ピクサーの『バグズライフ』を彷彿とさせる場面も楽しい。

『五月蠅い』と書いて(うるさい)と読む。
これからがハエのベストシーズンて事?
気をつけなきゃ!


にゃーこ





楽隊のうさぎ
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『音の粒を揃える』朝ちゃん、うまい事言うなぁ。
吹奏楽ならではの練習。個人練習→パート練習→全体練習。
ばらばらな雑音の粒が一つになって音楽を奏でる。

ひとりの音が大きすぎても、音程が合わなくてもアンサンブルにならない。
全員が心を合わせてひとつのハーモニーで体が包まれた時の感動は観客のそれをも上回る。

不思議なうさぎに導かれて吹奏楽部に入部した未経験の克っちゃん。
この子がまた感情をほとんど表に出さない現代っ子。
やる気があるようなないような、でもパンツ一丁で自宅練習をしたりするところもある。

そんな克っちゃんを見守る先輩の朝ちゃんや顧問の先生勉ちゃん。(演じるは宮崎あおいの実兄宮崎将)
勉ちゃんもまた、繊細そうな先生で、こんな頼りなげな先生のもとで生徒の自主性が育まれるんだなぁ。

私の時代には先生から譜面台が飛んできたけどなぁ、と感慨に浸る元・吹奏楽部員なのでした。


にゃーこ





もうひとりの息子
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赤ん坊の取り違え事件。
実際に起こった例もあるし、是枝監督の『そして父になる』も記憶に新しい。

この映画の場合、イスラエルとパレスチナの子の取り違えという悲劇的な設定。
人種が違うのにわからないのかと不思議に思うが、宗教や言語が違っても、
もとはアブラハムの息子達から分かれたと言われており、実際区別がつかないのだそうだ。

ある日突然、取り違えの事実を聞かされ、しかも対立する側の子を育てていたと知り、
父親は自慢の息子を失くしたと思い、母親は息子がひとり増えたと思う。
当事者の息子達にしてみれば、今までの自分の存在価値や、これからの生き方まで崩壊させられ、
グレてもおかしくないと思うが、これがどっちもさわやかで(イケメンで)いい子達なのだ。

長年の対立も未来を担う若者の手で解決されるのではないかという希望が見えてくる。
この国の有刺鉄線が取り払われる日が来る事を願うばかりだ。


にゃーこ





ビフォア・ミッドナイト
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イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー。
イケメン俳優と美人女優。

二人とも、しばらく見ない間におなかがぽっこりしちゃって、超・ショック!
同世代なだけに、自分の腹をなでつつ、絶望感を味わってしまった。
もうあの頃は戻って来ないのか・・。まさしくそんな二人の会話劇。

あんなに素敵な出会いと再会を果たしたジェシーとセリーヌなのに、今やすっかり倦怠期。
痴話喧嘩としか思えない二人のやりとりがあまりにもリアル。
ナレーションも独白もなく、会話だけで物語が進んでいく。
脚本の見事さと二人の演技力の高さはさすがだわ~。

風光明美なギリシャの街並みを歩く、しゃべる、歩く、しゃべる。
やはりセリーヌのほうが口では上手。でもチャーミングで憎めないかわいらしさ。

そんな彼女を怒らせちゃって、どうするジェシー!
作家である彼なりの挽回策にご注目。

更に9年後の彼らに、また会ってみたいなあ。


にゃーこ





アンコール!!
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テレンス・スタンプ様。

クールでワルな貴方がフツーの老人を演じるとは想像だにしませんでした。
その確固たるキャラ設定そのままでいっちゃうと、頑固じいさんとなってしまうのですね。

病気の妻を介護するアーサーは妻にしか笑顔を見せないような偏屈ぶり。
妻のマリオンは地域のコーラス隊『年金ズ』での活動を何よりも楽しみにしている。

体調の悪いマリオンは夫に付き添いを頼む。
年金ズの指導をするエリザベスは事あるごとにアーサーに語りかけ、
だんだんコーラスの世界に足を踏み入れていく羽目に・・・。

頑固なゆえに人づきあいが苦手で、自分の息子ともろくに話もできない、生きにくい性格。
でもその繊細な心の機微が愛おしくさえ思えてくる。
コートの襟を立てる孤独感にぐっとくる。

妻が夫に、夫が妻に贈る歌のなんて素晴らしい事!
鑑賞前に、小タオルとティッシュを6枚程膝の上に置かれる事をお薦めします。


にゃーこ





パリの恋人
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女子の憧れ、オードリー。

その普遍的な美しさは、世代を越えて圧倒的な支持を得ている。
少しでも彼女に近づこうと太眉にしようものなら、『イッテQ』の珍獣ハンターイモト扱いされそうだが。

まだ彼女の魅力を知らない若者にぜひ観て、知っていただきたい。
なかでも『パリの恋人』はオードリーのファッション七変化が楽しい映画だ。

どれを描こうか悩んだ挙句、欲張って全部描いたら、締切りを破る羽目になってしまった。

ジバンシーのシンプルなデザインや色づかいは今見ても色褪せず、オードリーと共に輝き続けている。
バレリーナになりたかったオードリーが、しなやかなダンスを披露するのも見所のひとつ。
しかも、お相手がアステアだなんて、最高の組み合わせ!

さえない書店員のジョーがひょんなことからカメラマンに見出されモデルとして成功していく成長物語。
女編集長もかっこいい!あんなおばちゃん大好き~! 


にゃーこ





スタンリーのお弁当箱
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スタンリーはお調子者だが、クラスの人気者だ。

美人でチャーミングなロージー先生は彼の素質を見抜き、褒めて育てている。
チョコレートをご褒美にあげるのはえこひいきだと思うが、そのチョコを仲間と分けながら食べるのには感心した。

家庭の事情からお弁当を持ってこれないスタンリーにきびしくあたるヴァルマー先生にはほんっと頭にくる。
そもそもハエたたきを生徒に振り回すな(怒)!
おまえの顔を叩いてやりたいわっ!!

しかし、お弁当を作るシーンはよだれがでそうだ。
画面から香辛料のスパイシーな香りが立ちのぼってきそう!
ナンに似たパンのロティがぷく~っとふくれるのを見ると、つい「そいつをよこせ」と言いたくなってくる。

さて、スタンリーはどうやってお弁当を持って来られるのでしょうか?

愛情の込められた絶品弁当の裏にはインドが抱える厳しい現実問題も表現され胸が痛むが、
子供達の友情がせめてもの救いだ。


にゃーこ





天のしずく 辰巳芳子“いのちのスープ”
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私には各界に師と仰ぐ方々がいる。
ミュシャ先生,ミロ先生,チャイコ先生,スティング先生,柳先生…。
尊敬のあまりもはや呼び捨てになどできない。

辰巳先生もそんな中のおひとりだ。
ご高齢でありながらも、しゃんとしたお姿にはいつも感嘆する。

食に対する徹底した姿勢、素材に対するこだわり。
そして、この映画の中でもわかるのだが、独特の言葉づかいは、
極上の素材を選びぬいている時のように的確で美しい。

四季折々の自然の美しい映像と辰巳先生とゆかりの人々との交流を見ていると、癒されると同時に、
日常に流されていい加減な生活をしている私に喝を入れてもらっているような気持ちになってくる。

80歳を過ぎてから見たり、聞いたりするものは別だと辰巳先生は言う。
よい食生活をして80まで長生きして、そういう境地に立ってみたいものだ。


にゃーこ





ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの
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あのハーブ&ドロシーが帰って来た!

自分達の給料でこつこつ集めた現代アートの逸品達。
1LDKのアパートに詰め込んだ2,000点を超えるコレクションを
全てナショナル・ギャラリーに寄贈するところで前作は終わっていた。

現代美術の巨匠達や美術家も一目置く目利きっぷり。
売り払って儲けようなどと露ほども思わない欲のなさにも感心するというか、呆れるというか。

寄贈した作品を全米50の州1美術館に50作品寄贈しなおす一大プロジェクトを決行。
サンタさんもびっくりの大盤振る舞いだ。
地方の美術館の知られざる経営状況や埋もれていたアーティストなど、思ってもみなかった現状が興味深い。

そして、この映画の製作費を寄付で集めたという驚くべき事実。
そこらへんに転がってる絵を一枚売り払っちゃえば資金なんてすぐできるのに。
それをしないのがまさしく現代のおとぎ話。

二人の変わらぬ仲の良さも微笑ましい。


にゃーこ





ペタル ダンス
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女が三人集まれば姦しい(かしましい)。

この映画はまさにそういう状態でのロードムービーなのだが、
こうるさい女子会的要素はなく、何気ない会話を繰り返しながら、淡々と静かに進んでいく。
三人三様、いろんな想いを胸に旅を進めているのだ。

若手演技派女優の共演ということで、さぞや演技の火花が散るかと思いきや、
それぞれが持つ独特の雰囲気が混じり合って、心地よい空気に包まれる。

だって、黙って海を見てる姿だけで絵になるんだもん。
冬の海や空って、こんなに色彩がなかったのかしら?
カラー映画なのに、モノクロみたいに感じる。

風に打たれ、寒空の浜辺で友情を確かめ合う彼女達。
女子だからこそ表現できる心の機微。
繊細に、でもしっかりと今を見つめます。

原木ちゃんがラストで風になびくものにかける祈りの言葉が印象的。


にゃーこ





ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮
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『北欧の至宝』マッツ・ミケルセン。
『イタリアの至宝』と謳われるモニカ・ベルッチのようなゴージャス美女ならいざ知らず、
人間国宝というわけでもない、頬骨の高い渋めの男が至宝とはこれいかに?

彼が演じるのは18世紀後半デンマーク国王クリスチャン7世の侍医ストルーエンセ。
精神を病む国王の心をつかみ、国の実権を握っていく。
そればかりか、孤独な王妃までをも虜にし、やがて衝撃の結末に至るのだ。

どんなに良い政策でも、国民の支持率って大事なのね。
こんなロマンチックな世界史は学校では教えてくれなかったから全然知らなかった。

ストルーエンセの血族は現スウェーデン王にまで繋がるらしい。
歴史ロマンだぁ~。

やはりそれなりの魅力を持っていないとこなせない役を、絶対的な存在感をもって演じるマッツ。
はらりと落ちる前髪、冷たい瞳。

北欧独特のクール・ダンディーさに、よろめいちゃってください。


にゃーこ





愛について、ある土曜日の面会室
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受刑者との面会。

もし恋人がが罪を犯し、刑務所へ入れられたら?
愛する息子を殺した犯人に会って、真実をつきとめたかったら?
自分とそっくりの受刑者と大金と引き換えに入れ替わることになったら?(それはないやろ!)

そんな3人の物語。

それと共に刑務所の面会室で繰り広げられる様々な風景。
犯した罪も刑期も様々だが、皆、一様に悩みを抱えている。
受刑者達も傷の絶えない日々を過ごしているが、現実社会で生きる家族も心に耐えがたい傷を負っている。

一緒に生活しない期間が長くなればなるほど受刑者との溝も深まり、
待ちわびていたはずの面会をする事自体が苦しくなるのだ。

面会室の張りつめた空気感。
そして、そこでの会話がリアルに響いてくる。

この人たちのその後が案じられてならない。


にゃーこ





恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム
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『ムトゥ・踊るマハラジャ』以来のインド映画である。

この手の映画で不服だったのは、主人公が吉幾三風のおっさんだという事である。
今回は、三枚目ではあるが、V6の岡田准一くん系の兄ちゃんだったので、まあ、良かった。

彼の踊りは是非大画面で。水揚げしたての鮮魚のようなぴちぴち、ムキムキっぷりは必見である。

びっくりしたのは、インド女性の垢ぬけっぷり、というか、ギャル化というか。
こりゃアメリカ娘と変わらないぞ。

ハリウッドならぬボリウッド。アメリカナイズされたインド芸能界の煌びやかなこと。
これはお固い事抜きで、たのしまなきゃ損、な映画だ。

インド音楽が頭に張り付いて離れない。歌詞がわからなくても、適当に歌えばいい。
さあ、みなさん、手を上にあげて、♪な~んちゃ~ら、かんちゃ~ら、オーム・シャンティー・オーム♪

お茶目な女性監督が最後まで楽しませてくれますよ


にゃーこ





アルバート氏の人生
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えっ?これがグレン・クローズ?

『危険な情事』の悪女役や、『101』のクルエラ役で、
世の男どもやわんちゃん達を震撼させたとは思えない変貌ぶり。

身についたあくを抜きまくり、女性ホルモンまでも削ぎ落とし、
まるで、イソップ童話の『金の斧』の泉にぼちゃんと放り込んで、
良いグレン・クローズを出してもらったかのようだ。

生きるためにやむを得ず男として生きる道を選んだアルバート。
ウェイターとして日々を慎ましく、ちいさな夢を追って生きている。

そこへ現れた塗装屋のミスター・ペイジ。
このペイジ氏がとにかく男前で惚れる~。
彼から様々な影響を与えられ、いよいよ夢の実現へと漕ぎ出すのだ。

少しずつ、着実に、こつこつと前進しつづけるアルバート。

人生のかなしみ、おかしみがじんと胸に沁みる。
そして、惜しくもアカデミー賞は逃したものの、演技にかけるグレン・クローズの並々ならぬ執念を感じるのだ。


にゃーこ





二郎は鮨の夢を見る
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日頃から尊敬する小野二郎さんのドキュメンタリー映画が見られるなんて、幸せいっぱい、よだれもいっぱい。
今回は二郎さんご本人だけでなく、二人の息子さんや店のお弟子さんたちの様子も興味深く描かれている。

師弟制度など、アメリカ人監督には特に珍しく映ったことだろう。

偉大な父を追い続ける息子達の日々の努力。毎日の細かく丁寧な仕込みをする弟子たち。
カステラみたいなたまごやきのおいしそうな事!

世界中で鮨が食べられるようになり、乱獲によるネタの品不足を憂う二郎さん。
築地の活気ある様子も映し出され、鮨しか受け付けない体になってしまった。

二郎さんがしょうゆを塗り塗りしてくれた鮪のにぎりを食べてみた~い!

たまにカウンターで鮨を食べると、私のあまりの食べっぷりに、
「シャリ、大きく握りましょうか?」と、板さんに気を遣わせてしまう。

私も山本益博さんから、食べる修行を受けなければ!


にゃーこ





ミステリーズ 運命のリスボン
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オープニングからみせてくれる。
ポルトガルの青いタイル、アズレージョに映画の場面が焼きつけられ、とってもキレイ。

リスボンの修道院に暮す少年ジョアンは孤独な日々を過ごしていたが、やがて大きな運命の波にもまれていく。
両親が次男・次女だったばっかりに、結婚を許されず、親子も離れ離れになる。
とにかくそれを助けてくれるのが、ディニス神父である。

この神父さまは行動力があって、実に頼もしい。
こんな人がロミオとジュリエットの神父様だったら、悲劇は起こらなかったろうな、と、思わせるほどだ。

また、彼自身も色んな秘密をもっている。
出生の秘密のオンパレードで、観る者をぐいぐいと引き込んでいく。

登場人物も多いが、当事者の親の代まで話が遡るので、そりゃあ4時間26分はかかるでしょう。
観終わっておしりが痛いのにびっくりする。
あっという間のタイムスリップをお楽しみください。


次女・にゃーこ





みんなで一緒に暮らしたら
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高齢化社会が進む昨今。

様々な問題を抱える年寄り五人組が一緒に暮したらどうなるか?
いくら仲がいいとはいえ、そう簡単にうまくはいかないものだ。

ともすれば深刻になりがちなテーマを茶目っけたっぷりに、フランス映画らしく男女の問題もからめた映画だ。

最近姿を見ないと思っていたジェーン・フォンダ。
チャップリンの長女ジェラルディンと共に皺が増えちゃって、寄る年波には勝てないもんだ、
と思いきや、さすが、背筋はピンと伸びて歩き方もかっちょいい。

日ごろのワークアウトの賜物だろう。

髪の毛先一本から手を抜かないヘア・メイク、素敵なファッション。
常に時代の先端を突っ走っていたジェーン。

いまでも立派に高齢者の最先端を軽やかにしなやかに、走り続ける姿は美しい。
世話役に雇った青年にまで粋な計らいをするあっぱれな終活ぶりもお見事。

父・ヘンリーの晩秋とは一味違う彼女らしさがいい。


にゃーこ





ぼくたちのムッシュ・ラザール
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新任の先生、ムッシュ・ラザールはさえない中年男。
日本にもいるいる、健康サンダルを愛用していそうな野暮ったい先生。
授業内容も時代遅れで生徒に指摘され、立場がない。

しかし、彼のクラスは普通じゃない状態にある。
前任の女教師があろうことか、教室で首つり自殺をしてしまったのだ。

生徒達のPTSD対策に特別にカウンセラーまでつけ、担任なのにムッシュ・ラザールは出る幕がない。

現在の学校教育は、体罰NGは勿論のこと、ハグもやってはいけないのか!
どうやって生徒の傷ついた心を癒していくというのだ?

日本でもありがちな教育現場の現実、親の介入。
悩みながらも生徒に教えなければならない勉強以上の事をムッシュ・ラザールは教えてくれる。
それはあまりにも過酷な彼の体験があればこそなのだ。

きかん坊シモンの繊細な心、大人びたアリスのほんとうに賢いこと!
じんわり涙を誘うのです。


にゃーこ





三重スパイ
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1930年代、第二次世界大戦前のパリ。

ロシア革命に敗れ、亡命してきた将校フョードル。
ギリシャ人の妻アルシノエと共に慎ましい生活を送っていた。

その時代、急進的共産主義や、ピカソなどの前衛芸術等、めまぐるしい変化に対応できない二人。
勤務する在仏ロシア軍人協会は、亡命時に持ち出したお宝が底をつき、会計は火の車となっていた。

職業柄情報通となっていたフョードルはそんな夫婦の将来のためにもと、様々な組織と接触することになる。
アルシノエはそんな夫の不審な言動に翻弄され、疑心暗鬼になってゆく。

実際のスパイ活動もハラハラするアクションも皆無の会話劇。
ロメール的せりふの押収に「こんなお喋りなスパイ、おるんかいな?」と、つい心の中でツッコミを入れてしまう。
アルシノエのファッションも素敵。特にてろんてろんの寝間着姿に目が釘付け!

佐藤B作と麻実れいの舞台化ってぴったりかも! 

にゃーこ





ヴィダル・サスーン
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 ルイ・ヴィトンといえば鞄、ハリー・ウィンストンといえば宝石、そしてヴィダル・サスーンといえばシャンプー。
 もはや人名とは思えないこれらの創始者達。

 今回は日本にもお馴染みのヴィダルのドキュメンタリーである。
 孤児院育ちながらハサミ一つで世界を変えた男。
 それはやはり人並み以上の努力と、鋼のような信念のうえに成り立っていた。

 お客の要望は聞かずそれぞれの骨格や髪の流れで髪形を決める強引なやり方だが、
今でも木村カエラとか似合いそうなモード感。
 ただのおかっぱとはわけが違う。

 成功してもなお、自分を律し続ける姿勢には感心する。
 一時期TV出演とかやりすぎた時期もあったが、色んなものが削ぎ落とされた82歳のヴィダルが一番かっちょいい。
 彼だからこそ言える励ましの言葉に、
よし、私も鉛筆1本で世界を変えるぞ、と思ってしまうのは同じ誕生日(1/17)だからかな?

 今年5月の死去が悔やまれる。

にゃーこ





ル・アーヴルの靴みがき
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アキ・カウリスマキ監督作品初体験。

名匠と言われるお方だけに、
敷居が高いのではないか、難解でついていけなかったらどうしようと、食わず嫌いなところがあったが、
人情味溢れるええ話に、山田洋次的江戸っ子の心意気みたいなものを感じてしまった。

靴みがきのマルセルが偶然出会った不法移民の少年イドリッサ。
警察の追手から逃れながらも母親のもとへ行こうとする少年に手助けを惜しまない近所の人々。
パン屋や飲み屋のどこにでもいるおばちゃん達が菩薩様のように見えてくる。
マルセルも少ない稼ぎをつぎ込み、資金や情報を集める行動力はただの靴みがきにしておくにはもったいない。

そこに立ちふさがるしつこい警視モネ。
ああ、どこの世界にもこういう警官はいるんだと笑っちゃうけど、ほんと、スキャットマン・ジョンにしか見えない。

厳しい現実の中でも優しさと希望を忘れない市井の人々を描く、まさに名匠だ。

にゃーこ





人生はビギナーズ
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「私はゲイだ」

余命いくばくもないとはいえ、好き勝手したい放題で、さっさとあの世に行ってしまうとは、ひどい父親だ。

こら、オリヴァー!何とか言いなさい!
自分の存在価値さえも見直さざるを得ない息子の立場なんだから、怒っていいんだよ!
だのに、父のゲイを受け入れ、手厚い介護をし、看取り、いい奴なんだなぁ。
いい奴なのに、独身なんだなぁ。

個性的な両親、特にエキセントリックな母親の影響か、風変わりな女の子、アナと恋に落ちる。

人と深い関わりをもつのが苦手な二人は果たしてうまくいくのか?
ジャックラッセルテリアのアーサーも心配してどこにでもついて行くよ。

思い出して!病の床につきながらも息子を案じる父の言葉を。
実践した彼なりの愛に溢れた最後の生活を。

人生やり直すには、えいや!と、踏み出す勇気が必要だけど、
年甲斐もなく、えいや!と落書きするのだけはやめたほうがいいよ。

にゃーこ





昼下がり、ローマの恋
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イタリア人の恋愛テンションの高さは異常だ。
半ば呆れながらも見入ってしまった。

とあるアパートの住人たちが繰り広げる恋模様が三話。
老いも若きも恋にのめり込む。
それぞれくすっと笑いを交えながらも愛と人生を語るが、やはり、デ・ニーロとモニカ・ベルッチの共演は見ものだ。

デ・ニーロにここまでやらせるか(汗)・・しかも本人楽しそうに演じているし。
イタリアの至宝と謳われたモニカ嬢を相手に、どんな『デ・ニーロ・アプローチ』をするのか、
イタリア男性顔負けのくどき文句、そのお楽しみは後半におあずけ、なのだ。

考古学専門の教授という今回の役どころ、こんな教授、いるかなあ?と思っていたら、
つい先日、デ・ニーロ氏、米・ベイツ大から美術の名誉博士号を授与されたとのこと。
あまりにもタイムリーでびっくり。

米・仏・伊の3カ国語もの台詞もこなすとは、おみそれしました。

あっぱれ役者人生!

にゃーこ





明りを灯す人
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キルギスって全く馴染みのない遠い国だけど、
主人公の明り屋さんは、中村嘉葎雄似で、まるで江戸っ子気質のええおっちゃん。
なんだか親近感がわいてくる。

村人達のために儲けも度外視で電気工の修理に奔走している。
そんな彼を村人たちも慕う。不思議と美人の奥さんも彼にぞっこんだ。

牧歌的な風景、荒れた土地で慎ましく暮らす人々の中に都会からやって来たベクザットは国会議員に立候補し、
村を変えようと画策。
明り屋さんもその渦中に巻き込まれていく。
中国人出資者まで連れ込んでくるあたり、リアル感が満点。
あんな民族帽もかぶらない都会の絵の具に染まった奴に村を乗っ取られちゃいかん!

政治や経済状況が不安定な国家のなか、おしつけがましくもなく、淡々と村の生活を描いている。
脈々と続く騎馬民族の伝統もキルギスの誇り。
変わらざるを得ない昨今の情勢のなか、未来に希望を灯す映画だ。

にゃーこ





灼熱の魂
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灼魂(しゃくたま)ワールドへようこそ。
ここは迷路のような中東の裏路地の世界。

物語はある母の死から始まる。
双子の姉弟への遺言、それは父と兄を探す事。

いままで愛情を注いでもらった覚えのない母からの無理難題を拒否する弟はほんと情けない奴。
母似の姉はカナダから遥か中東へと単身旅に出る。
出身地しか知らなかった母のルーツを探すうちに驚くべき生涯が明らかになる。
歌う女と呼ばれた母は一体何者だったのか?国民的人気歌手でなかった事だけは明らかだ。

弟を呼び出し、兄の痕跡を探すうちにあぶりだしのようにじわじわ現れる父の存在。
旅を終え、帰国した二人は・・。

観終わった後も気になってしょうがない。
『姉は数学者の道に戻れるのか』
『双子が水に親しむのはこういう事だったのか』
『この双子、仲、良すぎない?考えすぎ?』

母と兄はお互いただ会いたかっただけなのだ。
最後の手紙の言葉が胸を打つ。

にゃーこ





幸せパズル
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主婦マリアはプロフェッショナルな主婦だ。
料理の腕は抜群。家の中もセンス良く清潔感に溢れている。
日々かいがいしく働き、夫の会社の伝票整理だってささっとやっちゃう。
でも、それだけでいいの?
当たり前のようにこきつかわれ、育て上げた息子達は自分勝手に巣立っていくのだ。

そんな彼女が偶然見つけたパズルの才能。
その世界に足を踏み入れ、見つけたパートナーはロマンスグレーの富豪ロベルト。
イケメンで優しく、旦那とちがって髪だってふさふさである。
できすぎの展開によろめくマリア。さあ、どうする!

人間だれでも何かひとつ打ち込めるものがあるのはいい事だ。
主婦じゃなくてもサラリーマンだって、リタイアした後、何をする?
みんなそれぞれ幸せになれる物を見つけよう!

にゃーこ





ラビット・ホール
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ニコール・キッドマンという女優はあまり好きではなかった。

その美貌を武器にトム・クルーズまでをも踏み台にして、
ステップアップというよりまさしくのしあがってきた感がありありだったからだ。

今回の映画『ラビット・ホール』は初めての製作と主演に挑み、二コールの野望が満々かと思いきや、
息子を失った喪失と再生を丁寧に繊細に描いた、小粒の宝石のようないい映画だった。

特に小石のエピソードはなるほどと納得させられた。
ダイアン・ウィーストもさすがの演技。(私は彼女のふにゃっとした笑顔が好き)

薄化粧で普通の主婦を演じきった二コールには文句のつけようがない。

美貌と演技力、製作の手腕と高みに登り続ける彼女をこれからも見届けてやろうじゃないの!

にゃーこ





クリスマス・ストーリー
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大女優カトリーヌ・ドヌーヴ様。

いくつ年を重ねようが、ちょっとぐらい太ろうが、そこいらの若いモンとはくらべようのない美しさ。
日本人女優でいえば、松坂慶子さんあたりイイ線いっているのではないでしょうか?

父親似の娘キアラとの共演も楽しみなこの映画。
日本人がほんとうに味わったことのない本格的なクリスマスの情景が楽しめます。
楽しいファミリー・クリスマスだけでは終わらないのがさすがのフランス映画。
それぞれが様々な思いを胸に抱き日々を過ごしているのです。

その中心にいつもいるのが、ゴッド・マザー。
艶やかで、朱赤がお似合いの感じをだしたかったのですが、画力不足だなあ。

来年の課題といたしましょう。

にゃーこ





ショパン 愛と哀しみの旋律
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『病弱な天才はモテるのよ』

さすが、ジョルジュ・サンド、恋人ショパンを評してこう言うかぁ。
あの時代、作曲家やピアニストはアイドル的存在だったんでしょう。
あんなにドラマチックで繊細なピアノをぽろろんと側で弾かれちゃったら、女子はイチコロでしょう。

しかもあの優男っぷり。

しかし、病弱だとわかってショパンをポイ捨てするなんて、
ジョルジュはなんてひどい女だと常々思っていました。
この映画を観ると彼女なりの事情もわかって、意外と苦労人だったんだなー、と、ちょっと同情。

二人の愛の物語を彩る名曲の演奏中の回想シーンやイメージはまさしく映像の幻想即興曲やー!
映画ファンのみならず音楽ファンの皆様もどうぞご堪能ください。

にゃーこ





ミラル
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イスラエル・パレスチナ紛争。

未だに解決できない問題。
長い歴史の中で続いてきたからこそ、根が深い。
それぞれの立場での言い分もどちらもわからないではない。
でもそこでいつも犠牲になるのが市井の人々。

親を殺された孤児たちを引き取り、愛と教育をもって育てるのは、ヒンドゥ・ホセイニ。
子供達から、敬愛の情をこめて、『ママ・ヒンドゥ』と呼ばれる。(字幕には表記されてないから、よく聞いてね!)

少女ミラルはその中で、様々な過酷な体験をとおして、その名のとおり、美しい花を咲かせていく。
父と娘の愛・ヒンドゥとの師弟愛。
どちらも本気でぶつかりあいながらも深い絆でむすばれていく姿にじんとくる。

実話を基にしたこの作品は、実際の映像も交え、次世代の若者たちに希望を託す物語だ。
お互いを尊重しあい、共存できる日が一日も早く訪れますように!

にゃーこ





蜂 蜜
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主人公ユスフは超・父ちゃんっこ。
父を誇りに思い、どこにでもついて行きたがる。
秘密も二人で分かち合う。
養蜂家の父を手伝うキラキラとした瞳の輝き。
目がくりんくりんして表情が豊かでほんとうにかわいい。

言葉を失い、本もろくに読めない。
でも、気丈に夫の帰りを待つ母を支えようとする姿は健気で痛々しい。

音楽もなく、効果音もない、自然の音そのものを使っている。
だからこそこの映像美が生かされているんだなぁ。
美しすぎて、ちょっと気が遠くなるぞ。

にゃーこ





ジュリエットからの手紙
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今年のお盆休みはただの三連休。
休暇の延長をカラオケの時間延長並みに簡単にやっちゃう主人公をうらやましいと思いつつ、
疑似旅行体験。

イタリア旅行中に50年前の恋人探しを手伝うことになったソフィ。
その過程を記事にしようという目論見もあるちゃっかり者のアメリカ娘だ。

過去の恋を忘れられず孫同伴でイタリアに乗り込んだイギリスの老夫人クレア。
老人なのにイタリア男にもてまくる。
っていうか、イタリアの男達はあきれるくらい女性に対して貪欲だ。

さて、一行は昔の恋人ロレンツォを見つけることができるのか?
そしてソフィ自身もこの旅をとおして成長していくのだ。
美しいイタリアを背景に、なんだけど、いかにもアメリカ映画的爽快さ。

あー、やっぱ、どっか行きたくなっちゃったなー。

にゃーこ





約束の葡萄畑~あるワイン醸造家の物語
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「今年はワインの当たり年だね。」

多分、シャトーのワインだろうが、テーブルワインだろうが、
味が分かるわけでもないのに、軽々しく口にしていた言葉。
今日からは言えないなぁ。

ワイン醸造家にとっては死活問題。 まさしく天国か地獄かの分かれ道。

天使を味方につけ、自信満々なソブランだが、
彼は奇跡を起こしてくれるわけでもなく、ただ彼とそのワインを見守り続ける。
そして、後にびっくりするような大胆な行動にでるのだが、ネタばれなので、言ーわないっと。

ソブラン、その妻、男爵夫人、天使。
それぞれの間には必ず葡萄畑が。

ワイン醸造にかける情熱は今も世界中で繰り広げられているのだろう。

スモーキーとかナッツの香りだとか、味も表現もわからないけど、
ワインを一口含んだだけで、作り手の心情までおもんぱかれるには、
何杯、いや、何本飲んだら到達できるんでしょうねえ。

にゃーこ





台北の朝、僕は恋をする
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台北(タイペイ)なのに、(タイホク)って読んじゃったヨー。
恥ずかしい。

ぱっと見草食系、ちょっと頼りなげなカイと、
行動力抜群、キュートなスージーのドタバタな一夜を
軽快な音楽とともにお楽しみください。

何といっても台北の街の魅力が満載。
ほかほかつるんと茹であがった水餃子のおいしそうなこと!
食いしん坊の私はつい、屋台の活気に目を奪われてしまう。

人混みの中で繰り広げられる追いかけっこ。
悪人もなぜだか憎めない。
警察もなんだか間抜けで、何よりカイの親友カオがいいユル感を醸し出している。

大団円とはこの事を言うのかっ、というラストシーンも微笑ましい。
台湾にはいつか行ってみたいと思っていたが、まずはタイペイに行かねば!
では早速書店で中国語の本を・・。

にゃーこ


台北の朝、僕は恋をする




白いリボン
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第一次世界大戦前。

一見ごくありきたりの美しい農村に起こる不可解な事件の数々。
だが、問題は解決せず、いつも犠牲になるのは使用人達弱者であり、
口答えすらできない。

  そういう理不尽な大人達を目の当たりにしながらも、
厳格な親からは躾のためと鞭で罰せられ、
多感な少年少女達の心は傷つき、歪んだ感情に支配されてゆく。
それにひきかえ、何も知らない幼い弟たちは無垢で純真なままだ。

色々と考えさせられる映画だったが、あの時代のせいだったと片付ける事はできない。
DVも児童虐待も、今でも深刻な社会問題なのだ。

しかし、現代っ子のはずの子供たちの繊細な演技には驚かされた。
モノクロだったせいか、当時の映画を見ているようだった。

にゃーこ

白いリボン




ハーブ&ドロシー
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コンセプチュアル・アート?
ミニマル・アート?
うーん。

お絵描き好きの私にも、何がなんだか、わかりません。

でも、その作品が好きか嫌いか聞かれたら、答えられる。
ハーブとドロシーはそれがアートを選ぶ基準だと、やさしく微笑む。
気に入った作品はたとえそれが針金だろうが逆さ文字だろうが立派な現代アートなのだ。

慎ましい生活、一般人のお給料で、
しかも月賦でこつこつ買い集めたそういった作品がとんでもない値をつけても、決して手放さない。

アートに対する深い愛情と年をとっても消えることのない情熱は、
現代アートの巨匠たちをも唸らせる。

何がほんとうの幸せなのか、審美眼とともに大事な価値観をも持ち合わせているふたりなのです。

にゃーこ

ハーブ&ドロシー




パリ20区、僕たちのクラス
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ちょっと、そこの女子、何先生に楯突いてんの!
例文の名前なんて、ビルでもアイサタでもいいじゃないっ!

まあ、生徒の人種が多岐にわたる様子をみればその屁理屈、わからんでもないし、
人種問題で喧嘩になるくらいですから、先生方のご苦労も日本とはちょっと違うみたい。

しかし、その格好は何なの。
アクセサリーはじゃらじゃら、男子までピアスしちゃって。
個性を認めるのはいい事だろうけど、校則なんてないのね。

体ばっかりでっかくなっても精神的にはまだまだ揺れるお年頃。
小生意気な事ばっかり言ってても時には素直な可愛げのあるところもある。
基本的な所は世界共通なんだ。

先生達だって、迷いながらもそんな生徒たちを導いていく。

リアルな教育現場がここにはあるのだ。

にゃーこ

パリ20区、僕たちのクラス




クレアモントホテル
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最近、「無縁社会」という言葉をよく聞くようになった。
人生の最後を孤独のうちに終えるか否か。
人づきあいが苦手な現代の若者たちも、強い危機感を抱いているようだ。

この映画の主人公、ミセスPも青年ルードも例にもれず、
自分の娘や孫、母親といった肉親とでさえよい関係が築けない。
でも、滞在するホテルの、同じ釜の飯ならぬ
同じホテルのディナーを食べた住人たちとあたたかい絆をつないでいく。

今から先の事を杞憂するより、それぞれが前向きに悔いのない日々を過ごしていくことこそが
「無縁社会」とは無縁な社会をつくる第一歩なのでは、と、この映画を観て思った。

ミセスPみたいにかわいいおばあちゃんになりたいなぁ。

しかし、老婆は1日にしてならず。
あんなに気品のあるおばあちゃんになるには今からの努力が必要だ。

にゃーこ

クレアモントホテル




プチ・ニコラ
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実写映画化って、難しい。
原作のイメージを損なうことなく万人に受け入れられなければならない。
サザエさん然り、ちびまるこちゃん然り。

プチ・ニコラはフランスで大ヒットしたところをみると、
イメージどおりだったのでしょう。
しかも、前述の日本のアニメにも共通したキャラをきちんとおさえてある。
力自慢にガリ勉くん、金持ちの子、くいしんぼうにおふざけくんにダメダメくん。
原作を知らなくても世界共通の無邪気な子供たちに懐かしい気持ちになる。

更に、さすがフランス映画だけに、どこをとってもおっしゃれー。
30代・40代の元オリーヴ少女達には
溜息がでるような家具やファッションがてんこ盛り。
子供だけに見せるのはもったいないですぞー!

にゃーこ

プチ・ニコラ




小さな村の小さなダンサー
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経済成長著しい中国。
しかし、未だ様々な規制があり、
社会主義思想と資本主義的発展のアンバランスさが不思議な国である。
いまでさえ日本文化も解禁となったが、
数年前まではそれすら許されなかったのだから信じられない。

リー・ツンシンは貧しい農村出身ながら、
良き師に恵まれ、自らの努力もあって海外に行くこととなる。
中国人は互いを「同志」と呼び合うが、リーはアメリカでほんとうの同志達を得、
彼らの尽力のおかげで自由を得る。

「リトル・ダンサー」とよく比べられるようだが、
バリシニコフの「ホワイトナイツー白夜」も観なおしたくなった。

にゃーこ

小さな村の小さなダンサー